俺はカナデに何度も何度も口付けた。
零れ落ちた涙を舌で掬い取り、そのまま額にも頬にも口付ける。
くすぐったそうに少し身じろぎをするカナデの身体を痛くない程度に
強く抱きしめ、角度を変えながら又唇を合わせる。

カナデが呼吸の為に軽く口を開いた時、俺はその中に自分の舌を
捻じ込んだ。

最初は逃げていたカナデの舌も、
俺が追い詰めるように求め続けるうちにおずおずと絡ませ始めた。

カナデの心臓の音が聞こえる。
いや、それとも俺の心臓か?
求めても求めても全然足りない。
今ようやく思いが通じ合ったばかりで性急過ぎるのは自分でも
わかってる。
でも、俺はどんどん深くなるキスを止める事が出来なかった。

ようやく唇を離すと、カナデの身体からカクッと力が抜けた。
それを支えてやりながら唇から零れ落ちた唾液を舌で拭い取って
やると、カナデは真っ赤になって俺の肩に顔を埋めてしまった。
愛しいと思う気持ちが溢れ出てくる。
こんな強烈な思いに今まで気付かなかったなんて。

「……もう、ヒビキ。強烈過ぎ……」

そんな可愛い事を言うカナデの顔がどうしてもみたくなって、
両手でカナデの頬をはさんで俺に無理やり向けさせる。
案の定赤くなったまま俺と視線を合わせようとしない。
昨日も今日も自分からキスをしてきたので、すっかり経験済みだと
思っていたが、今の反応の仕方をみると、どうもおかしい。

「……もしかしてカナデはこういうキスした事ないのか?」

ふと疑問に思ったので聞いてみた。
するとカナデは更に真っ赤になって怒った。

「わ、悪かったね、ヒビキと違ってキスが下手で!
 でもしょうがないじゃない!
 気付いた時にはヒビキの事が好きだったし、
 ヒビキ以外としたくなかったんだから!
 だからキスだって昨日が初め…あ…!」

俺が目を丸くして見ていると、慌ててカナデは自分の口を自分の手で
ふさいだ。

あ〜、もう。可愛くて可愛くて仕方がない。
思わず笑みがこぼれそうになった俺は、
逃げようとしているカナデの腰をグッと引き寄せた。
下半身がぴったりくっつく格好だから、
俺の反応しているモノがカナデにダイレクトに伝わっているだろう。

「ヒ、ヒビキ……」

あせって両手で俺の胸を押し返し、
何とか離れようとするがもちろん俺が許すはずがない。

「あんな熱烈な告白を聞かされたらこれ以上我慢できない。
 ……これ、どうしてくれるんだ?」

俺はちょっと意地悪く腰を擦り付けながら、カナデの耳にそう囁いた。
カナデが軽く身震いする。

「ど、ど、どうって言われても……」

俺は左手でカナデの後頭部を押さえ、
右腕でカナデの腰を更に引き寄せながらもう一度キスをした。
今度は最初から深いキス。
カナデも必死で俺にあわそうとしている。
そんな余裕のなさも愛しくて、俺は腰を押さえていた右手を徐々に
動かし始める。


最初は腰の辺りをゆっくり擦り、背中、肩と少しずつ手の位置を
変えていく。
何もかも初めてのカナデを不安にさせないよう、
パジャマ代わりに着ていたTシャツの上からゆっくりゆっくり。
触られる感覚に大分慣れてきたと思った頃、
俺は背中側のTシャツの裾から右手を差しいれ人差し指で背骨を
なぞった。

「……っ!」

カナデはキスをしていた唇を離し、上を向いて軽く仰け反る。
そんな姿を見せられたら、
目の前にあるカナデの細い首に舌を這わせずにはいられない。

俺はカナデの首を下から舐め上げ、
左手で仰け反る背中を支えながら右手で胸を弄る。
女の子と違って全く膨らみのない平たい胸。
そして同じ双子でありながら、鍛えてる俺と違って胸板が薄い。
それのどれもが俺を興奮させる。
俺の指が胸の突起を掠めた時

「……んっ!」

と一瞬カナデの声が漏れた。
カナデの両手は俺の肩を握り、また声が漏れないよう下唇を噛んで
我慢している。
カナデが感じてくれている事がすごく嬉しい。
左手もTシャツの中にいれ、両手で二つの突起を優しく捏ね回す。

「カナデ、我慢しないで声を聞かせて。
 俺しか聞いてないから大丈夫だから。」

俺がカナデの左耳を甘噛みしながらそう囁き、両手の動きを少し
強くさせると

「……ああっ!」

と少しずつ声が漏れ始める。
下半身が密着しているおかげで、カナデのモノも反応しかけて
いるのがわかった。